生産性向上の取り組み「時間のモノサシ」
職場の生産性を見直すとは(生産性向上のメリット)
◎職場の職員が“全員”A職員のように効率良く動けたとしたら、きっと素晴らしく優秀な施設運営ができることでしょう。
◎しかし、新人職員も入社してきますしベテラン職員がやむを得ず職場を去ることもあるでしょう。
◎その状況の中で職場の生産性を見直すためには、まず今の全職員の生産性をチェックすることが必要です。
◎A職員の生産性は、この上ないほど高いので見直す必要はありません。
◎見直すべきは平均以下のD職員とE職員の生産性を改善させることです。2人の生産性が改善されれば、A職員の負担が少なくなるだけでなく、職員全体の生産性も高くなりますね。
◎生産性を見直すこと、つまり向上させることとは、個々が密度の濃い仕事をすることを意味し、すなわち少ない時間で今までと同じ仕事をする、あるいは今までと同じ時間でより多くの仕事をすることなのです。
◎先ほど例に挙げた生産性の改善により、E職員の皿へ移すタイムが2分30秒から、平均の1分30秒へ改善されたとします。
◎すると、E職員は一つの作業において新たに60秒の時間を生み出したことになります。
◎この生み出された60秒が一日の勤務時間の中で10回発生したとします。すると合計10分になりますね。10分あれば…?
早く帰宅できます!認知症のご入居者により多くユマニチュードを実践することができます!また、もしかしたら介助の効率が良くなったことでE職員に自信が湧きモチベーションがアップ!…するかもしれません。
◎当社では、この生産性向上の取り組みと同時に、ご入居者の見守りシステム『らいふ君』の導入も進行中です。
◎導入により、定時の巡視を行わなくても居室内の危険を事前に察知することができるようになるため、定時の巡視の時間を大幅に削減できます。
生産性管理の必要性 ~生産性向上を実現させる5つの柱~
1.仕事の見直し(業務を作業レベルに分解する習慣づけ)
◎例えば「排泄介助」。ただ単に「排泄介助を行う」だけでは、その仕事の“どこに”課題があるか気付くことはできません。
◎「コールが鳴る」「必要な用具を準備する」「入室し介助の準備をする」「介助をする」「片づける」「記録を書く」等により、 一つの介助は、動作ごとに細かく区分することができます。区分することで、改善すべきポイントを具体化させられます。
◎業務を作業レベルに分解する習慣を身につけることで、改善する効率も高くなります。
2.業務に集中できる環境を整える
◎何かと忙しい介護の現場、あれもこれもと追われているうちに結局残業…という経験はありませんか?
◎一日の業務の中で優先順位を決め、一つひとつの業務に集中し取り組む環境を整えましょう。
3.ベテラン職員のノウハウの共有化
◎その施設での勤続年数が長い職員や介護業界での経験が長い職員は、当然新人と比べ経験値が高いので、 様々な介護のニーズにも臨機応変に対応することが可能です。
◎皆さんの職場では、そういったベテラン職員の介護技術が他の職員へも伝達される仕組みができていますか?
◎せっかく同じ施設で働いているにも関わらず、各自が独学の介護を行っていてはもったいないですね。ベテラン職員のノウハウを共有しましょう。
4.上手な時間の使い方を習得
◎効果的な時間の使い方をマスターしましょう!
◎まずは、スケジュールを立てるところからです。出勤して、その日のだいたいの業務フローは決まっていると思います。
◎しかし、申し送り等で不穏なご入居者の情報や当日の入浴予定者数の変更、他にはイレギュラーで事故が発生しご家族や上司への電話連絡対応や受診対応が入ったり、出勤予定だった同僚が急に休んでしまったりすることだってあるかもしれません。
◎余裕を持ったスケジュール管理を行い、不測の事態にも対応できるよう準備しておきましょう。
5.3つの視点から検討する
◎与えられた仕事について、常にその仕事の効率化を高めようと考える努力をすることも、大切なことです。
(1)「それって、廃止できない?」→やめても問題が生じないものは、思い切って廃止し無駄なコストを削減しましょう。
(2)「それって、省力できない?」→廃止できない業務は、以下の視点から効率化を計れないか検討しましょう。
・統治する→似通った仕事や、似通った結果の出る別々の仕事は、一つにまとめましょう。
・質を見直す→業務内容を見直し、簡素化しましょう。
・量を減らす→書類の枚数や提出先を見直し、量を削減しましょう。
・頻度を減らす→会議の回数や開催時間を見直し、頻度を削減しましょう。
(3)「それって、代替できない?」→その業務に関わる人・物が他のシステム導入等で代替できないか検討しましょう。3.「時間のモノサシ」作成の流れ
4.社内報(取り組み浸透のためのツール)
各施設での取り組みの様子
職員への説明
セルフチェック(計測)
「時間のモノサシ」チェックシートの活用
職員同士の意見交換
施設長によるチェック