手あれ(進行性指掌角皮症)とは
進行性指掌角皮症いわゆる手あれは、特に主婦、美容師、飲食店員、銀行員などによくみられる病気です。
水仕事をよくしたり、紙幣をよく扱ったりするために、繰り返し指先に刺激が加わって起こるものと考えられています。
主に利き手の親指、人差し指、中指の指先から発症し、皮膚が乾燥してはがれ落ち(落屑:らくせつ)、さらに硬くなって(角化:かくか)ひび割れたり、指紋がなくなったりするなどの症状がみられます。そして、ひどくなると両手のひら全体にまで広がってしまいます。一般に、アトピー素因を持つ人に多くみられ、冬にひどくなりますが、夏にはよくなることが多いようです。


手あれになりやすい人

手あれの進行
はじまり ⇒
進行すると ⇒
さらに進行すると



どうして手あれになるのでしょうか?
一般に、皮膚のうるおい(水分量)は皮脂(ひし)、天然保湿因子(てんねんほしついんし)、角質細胞間脂質(かくしつさいぼうかんししつ)という3つの物質によって一定に保たれています。手、指では皮脂腺(ひしせん,皮脂を分泌する)が少なく、そのため皮脂膜(ひしまく)も薄くなっています。そのかわり角質層が厚くなっていて、保護する役目を果たしています。
その角質層も、石鹸や洗剤などを使って頻繁に水仕事をしたり、指先をよく使ったりしたあとにお手入れをしないで放っておくと、水分が失われやすくなります。
そこへ、さらに指先に様々なものの摩擦(まさつ)刺激が加わると、厚い角質層は弾力性を失い、ひび割れてしまいます。
ですから、手への刺激を少なくするような、ふだんからの心がけが予防には大切です。
※皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質については「手、指がうるおう理由」でくわしく解説しています。
健康皮膚

乾燥皮膚

手、指がうるおう理由
1. 皮脂
皮脂腺から分泌される脂(あぶら)のことです。汗などと混じりあって皮膚の表面をおおい(皮脂膜)、水分の蒸発を防ぎます。手、指では皮脂腺が少なく、皮脂膜は十分ではありません。
2. 角質細胞間脂質
表皮で作られ、角質細胞と角質細胞のすき間をうめている脂のことです。角質細胞同士をくっつけるニカワの役割をするとともに、水分をサンドイッチ状にはさみ込み、逃がさないようにします。
3. 天然保湿因子
角質層にある低分子のアミノ酸や塩類などのことです。ナチュラル モイスチャーライジング ファクター(NMF)ともいわれ、水分をつかまえて離さない性質を持っています。

日常生活で心がけること
1. お薬を正しく使いましょう
皮膚にうるおいを与えるぬり薬、また、かゆみや湿疹を抑えるぬり薬や飲み薬などがあります。お薬は先生の指示をよく守り、正しく使いましょう。
2. 刺激を避ける
また、水仕事の際にはその上からゴム手袋などを着用して、直接洗剤に触れないようにしましょう。
3. 手を大切に



4. 手を洗いすぎない
手を洗ったあとには、皮膚にうるおいを与えるぬり薬をぬりましょう。
5. 油断は大敵!?

