新型コロナウイルス感染拡大に伴う当社対応
~ その32 ~
正しい知識で、コロナを乗り越える「抗原検査、抗体検査、PCR検査の違い」
2020年5月13日、新型コロナウイルスに感染しているかを短い時間で調べることができる「抗原検査」が厚生労働省から承認されました。新型コロナウイルス感染の検査方法については、この「抗原検査」をはじめに、「抗体検査」や「PCR検査」もテレビやインターネットで見聞きします。
当社では、介護・医療に携わる者として、正しい情報・知識を職員に周知するとともに、日々 徹底させております。
この度、その一環として「抗原検査、抗体検査、PCR検査」についてまとめましたので、本ページにて公開します。国民一人一人の新型コロナウイルス対策徹底が求められる状況下で、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
抗原検査、抗体検査、PCR検査について
抗原検査、抗体検査、PCR検査について
2020年5月13日、新型コロナウイルスへの感染を短い時間で調べることができる「抗原検査」が厚生労働省から承認された。
「抗原検査」とはなになのか? 「PCR検査」や「抗体検査」とはどう違うのか? について、以下説明する。
【1】「抗原検査」とは
「抗原検査」は、新型コロナウイルスに感染しているかを調べる簡易検査(お馴染みのインフルエンザの簡易検査も抗原検査)。インフルエンザの検査のように、鼻の奥を拭った検体を含む液をキットにたらして線が浮かび上がるかを確認する。
現在行われている「PCR検査」と違い特別な技術は必要なく、結果が判明するまでの時間を大幅に短縮でき30分ほどで結果が判明。
ただし、インフルエンザウイルスの検査がかなりの確率で偽陰性や偽陽性が出る(つまり、感染していないのに陽性と出たり、感染しているのに陰性と出ることがある)ように、新型コロナウイルスでも抗原検査はPCR検査と比べてかなり正確性は劣る模様。したがって、PCR検査を補う検査の位置付けということになる。
【2】抗原検査、抗体検査、PCR検査の違いは?
1)何を調べる検査なのか?
●13日、国から承認された「抗原検査」は、すでに実施されている「PCR検査」と同じく、いま、ウイルスに感染しているかどうかを調べるもの。
●「抗体検査」は、ウイルスに感染した際に免疫細胞が作り出す「抗体」が血液中にあるかどうか調べるもの。過去に感染していたかどうかがわかる。
●「PCR検査」はウイルスの遺伝子を調べるのに対し、「抗原検査」はウイルスに含まれる特徴的なたんぱく質を調べる。
2)検査時間の違いは?
●「PCR検査」は、ウイルスの遺伝子を増やす必要があるため、数時間かかる。また、特別な機器が必要で、検体を検査機関に送る時間がかかるため、結果がでるまでに数日かかることもある。
●これに対して、「抗原検査」は、インフルエンザの検査と同じやり方で、30分程度という短い時間で結果が分かる。また、PCR検査のように専門知識を持つスタッフが必要なわけではない。
3)検査の精度は?
●比較的、簡単に検査ができる「抗原検査」ではあるが、検査の精度は「PCR検査」と比べて低いとされている。これは、ウイルスのたんぱく質の量が少ないと、感染していても陰性となることがあるかため。
●このため、「抗原検査」で陽性となり、せきや発熱などの症状があればPCR検査をしなくても医師が確定診断に活用できるが、陰性だった場合にはもう一度、より感度の高いPCR検査を行って確認をすることになる。
【3】 今後の運用は?
●医療現場からは、上記の通り「抗原検査」は「PCR検査」に比べて精度が低く、感染している人でも陽性と判定されない場合があることに触れ、「抗原検査の結果が陰性だったとしても、見逃している可能性があると思う。陰性の場合はPCR検査を行うというが、気持ちの上で油断してしまうこともあると思う」と「抗原検査」の課題と慎重な対応を示している。
●13日に承認された「抗原検査」は、インフルエンザの検査のように比較的、簡単に検査が行えるが、いまのところ一般の診療所で受けることはできない。
●国が13日まとめたガイドラインによると、検査キットの供給がまだ十分ではないことなどから、抗原検査は、当面、大阪や東京など感染者が多い地域の「帰国者・接触者外来」などで行われることになっている。そのうえで、医師が患者に新型コロナウイルスへの感染を疑う症状があり、抗原検査の必要があると判断した場合に使用される。
●一方で、PCR検査と比べて抗原検査には一定のウイルス量が必要で、症状がない場合には適切に判定されない可能性があることから、症状がない人は原則として検査の対象外とされている。
●国は今後、キットの生産量の増加にあわせて検査の対象地域や医療機関を広げていく方針で、抗原検査を受ける際の費用の負担は、医師が必要だと判断して抗原検査を行った場合は、PCR検査と同じく公費負担となり、患者の自己負担は生じない。
以上