口腔ケアの取り組み

施設における口腔ケアの意義

事業責任者からのメッセージ:


 介護事業に携わっていると、口腔衛生や嚥下機能に課題を抱えているご入居者との関わりが当然のこととなっています。

代表的な課題の一つが、誤嚥性肺炎です。これを引き起こさないために、日々の介護に臨んでおります。

しかし残念ながら、一般的には口腔ケアとは日常的に繰り返される「歯磨き」や「義歯の状況確認」と大差がないのでは?

と思われがちです。

 


 そもそも口腔ケアには大きく2つの目的があると言われています。

1つ目は、口腔内細菌を除去すること

2つ目は、口腔内を刺激し口腔機能を維持・向上させること

これらを実施することにより、歯周病の予防だけでなく誤嚥性肺炎の予防につながり、間接的に口臭の予防や味覚の維持、

爽快な気分や食欲増進といったメリットも生み出されます。

 

 

 先日、都内の歯科医と面談した際、「“口の中はきれいになったのに肺炎になった”という患者が増えている。

こういった声を耳にすると、口腔ケアはまだまだ正しく理解されていないと実感する。口腔ケアにより口腔内細菌を除去すると、

誤嚥しても細菌が少ないため誤嚥性肺炎を予防できる、と錯誤しているのだ。

しかし、正しくは“口腔ケアにより口腔機能を維持・向上させると、誤嚥をしにくくなり誤嚥性肺炎を予防できる”のであり、

口腔内細菌の減少は二次的効果なのだ」と熱く語っていました。

 

 当社も本年より口腔衛生管理体制加算を取得したことを契機に、ご入居者の皆様の口腔ケアについて、

私たちの意識改革とともに口腔ケアの質の向上に向け、改めて以下の課題を掲げ、取り組みを開始しております。



 (1)        施設において、口腔衛生の維持や嚥下に課題を抱えるご入居者が穏やかに生活できるよう日々実践していることは何か。

     そしてこれらを可視化すること。

 (2)        ヒント・アイデアを実際にやってみて、一定の効果がある(であろう)という内容はどんなことなのか。

     これらを共有し、口腔ケアの質の向上に活かすこと。

 (3)        口腔衛生の維持や嚥下に課題を抱えるご入居者に対し、ケアの質の向上の検証を行うこと。

 


 口腔ケアの究極の目的は“最後まで口から摂食できること”です。この目的を達成すべく、ご入居者・ご家族・地域のみなさまに

浸透するよう、社内メンバーとプロジェクトを立ち上げ、提携歯科の医療法人社団高輪会をアドバイザリーとして活動開始しました。

 本活動の第一段として「口腔ケアマニュアル」を作成し、社内勉強会での活用とともに、これらの取り組みをご家族・地域に対し

広く発信します。


株式会社らいふ

取締役 小林 司


口腔ケアの目的

 歯と口のケアは、むし歯や歯周病の予防のためだけではなく全身の健康を守るためにとても大切です。口腔ケアを必要としている多くの人は、

体の機能の低下に加え、多くの場合摂食嚥下障害などの何らかの口腔機能の低下がみられます。

口腔清掃だけではなく機能面のケアも欠かせません。

 

 口腔ケアは、口腔内の歯や粘膜、舌などの汚れを取り除く器質的口腔ケアと口腔機能の維持、回復を目的とした機能的口腔ケアから

成り立っています。この2つをうまく組み合わされることで、口腔ケアの効果がさらに高まります。


 口腔ケアは口の中の健康だけではなく、全身の健康を保つために必要なケアになります。

口腔機能が低下することで、飲み込むことや噛んで味わうという動作がスムーズに行えなくなります。

そのため、十分な栄養を摂取しにくくなり、運動機能の低下栄養障害認知症の進行につながる場合があります。

 

 口腔ケアを続けることで、むし歯や歯周病を予防するだけではなく、誤嚥性肺炎やインフルエンザなどの気道感染や全身疾患の予防、

口腔機能の維持、改善につながります。「美味しく食べる」という生きる喜びにもつながります。

 

口腔ケアの効果

  1. 虫歯・歯周病の予防
  2. 口臭の予防
  3. 誤嚥性肺炎の予防
  4. 味覚の維持
  5. 爽快な気分の維持・食欲の増進
  6. 唾液の分泌による口腔内の乾燥の予防
  7. インフルエンザの予防
  8. 医療費の削減


口腔ケアプロジェクトチームの発足

上記のような口腔ケアの意義・効果を、施設の日常のケアに活用するため、下記の通りプロジェクトチームを発足、活動を開始致しました。


1.目 

(1)施設における口腔衛生や嚥下機能の維持のための対応について、社内共有を図る

   ⇒従業員の共感と納得感の醸成、気づきによる口腔ケアの質の向上を図る)

(2)啓蒙活動と当社プレゼンスアップ

(3)医療法人社団高輪会と共同で口腔衛生・嚥下機能向上の効果を実証し、ご家族・地域発信する。


2.取り組み

下記をテーマに取り組む。

 ①施設において、口腔衛生の維持や嚥下に課題を抱える入居者が穏やかに生活できるよう日々実践していることは何か。

 ②ヒント・アイデアを実際にやってみて、一定の効果がある(であろう)という内容はどんなことなのか。

 ③口腔衛生の維持や嚥下に課題を抱えるご入居者サマに対し、取り組みによる向上の検証を実施。※(医)高輪会と連携し実施

これらを社内で共有し、社外にも発信していく。


3.対象施設およびメンバー

 当社全施設のうち、ケアマネジャーの資格を取得している管理者等が所属する5施設。

 (二俣川・海老名・川口元郷・梅屋敷大宮・渡邊)


4.キックオフ

 キックオフ日時:8月10日()16:30

  当面は、「(仮称)施設における口腔ケアのあり方」(摂食嚥下障害の特徴と口腔ケアのポイント)を手引きとしてまとめる。

【プロジェクト活動イメージ】




 

プロジェクトチーム発足時の社内報

口腔ケアプロジェクトチームキックオフの様子



口腔ケアプロジェクトチーム定例ミーティングの様子

実際の取り組み ①マニュアルの作成

< 目次 >

はじめに

第1章 口腔ケアの目的

1.口腔ケアの目的

2.口腔ケアの効果

第2章 高齢者の口の状態

1.要介護者にみられる口腔の状態

2.加齢における口腔内の状態

3.ドライマウスに注意!!

4.こんなに怖い!!歯周病菌

第3章 口腔ケアに用いる道具

1.粘膜の清掃

2.歯の清掃

3.舌の清掃

4.保湿

5.道具の手入れ方法





第4章 口腔ケアの手順

1.口腔ケアの基本

2.口腔ケア(清掃)の方法

第5章 食事介助関連

1.食事を提供する環境

2.食事の姿勢

3.嚥下・食事形態

4.食事介助

5.トラブル対応

6.給食会議


■こちらのマニュアルをダウンロードできます!
是非、下記PDFデータで内容をご覧ください。

実際の取り組み ②講習会の開催