トランス脂肪酸分析

 トランス脂肪酸の摂取は体内でLDHコレステロールを増加させ、心臓疾患や血管障害を引き起こす要因の一つです。トランス脂肪酸は、その多くが植物油の化学的な加工の過程で副産物として作られます。トランス脂肪酸を含有する代表的な食品としては、マーガリンやショートニングがあげられます。これは、常温で液体である植物油を固形化するため水素を付加し部分硬化油として化学処理をする過程で、副産物の異性体としてトランス脂肪酸が出来てしまうためです。製造過程や原料の違いにより含有率には大きなバラつきがあり、1%未満の製品から10%を超えるものまでさまざまで、実際の含有率を知るためには測定し評価を行う必要があります。当社では最新鋭のガスクロマトグラフ質量分析計(GCMS)を使用した分析サービスを実施しております。また、乳製品等においても、消化器官内のバクテリアによって作り出された天然型のトランス脂肪酸が微量検出されることがあります。
 WHO/FAOの発表を基準とすると、摂取量の目安は平均的な日本人の場合、1日2グラム以下が好ましいとされています。

 日本で近年問題視されるトランス脂肪酸ですが、米国においては、今後なんらかの規制を行う事が議論されています。また、米国・中国・台湾・韓国・ブラジル・チリ・パラグアイ・アルゼンチン等の国々においてはトランス脂肪酸の食品中の含有量を栄養成分表示にて表示する事が義務付けられているほか、デンマーク・スイス・オーストリアでは含有量に対する規制がすでに設けられています。

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